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(年齢だけは)大人のジャニオタの吐き捨て場的なもの

『ザ・ビューティフル・ゲーム』観てきた

2023年現場初めは小瀧くんの『ザ・ビューティフル・ゲーム』。

宗教戦争が続くイギリス領北アイルランドでプロサッカー選手を目指す青年とその仲間たちの人生を描く物語。

同じサッカーチームの中でもカトリックプロテスタントがいて、さらに同じ宗派であったとしても考え方が様々。

それがすべて宗教と絡み合ってしまい、悲惨な別れが量産されていく話なので、なんかもう新年からなかなかハードな作品を選んだな、という気分です。

宗派の違いや国へのスタンスなど、人間こうも違うものかと思わせられる。

小瀧くんが演じるジョンのチームメイトであり、テロ活動に身を投じていくトーマスが非常にわかりやすくこちらに問いを投げかけてくれるなという印象。

トーマスは人の死をことさら特別視し、大袈裟に騒ぎ立て、戦う理由に利用していくので本当にわかりやすいです。人の死は痛ましく、弔うべきものなのは当然なのだけど、それはなんのために?というところなんよ。ただ一つの神と関連付けた大袈裟な死の胡散臭さといったら。巻き込まれて死んだ、以上の意味付けをしたい人間がたくさんいるっていうのは古今東西変わらないものだなというお気持ち。

同時に、そうやって何か必要以上の意味を持たせ、縋る気持ちというのもきっと人間が未来永劫向き合っていかなければいけない気持ちなんだろうよなー。フラットでいられることって難しいんだよねきっと。

そもそも宗教だってそういう性質のものでしょう。キリスト教みたいな一神教の宗教は日本人にはなかなか馴染まないと言われているけれども、そして、こういう欧州の戦争については私は特に「一神教なんてやってるからだろうがよ」で思考停止しちゃうんだけど、別に宗教でなくたって自分が好きなもの、たとえば私だったらそれはどうしてもジャニーズになるだろうし、あるいはサッカーだったりもするわけです。

かといってそういう、何かを拠り所としない生き方もきっと出来ないわけで、やっぱり拠り所を分散させて、寄木造のように自分のアイデンティティをバランスよく作っていかなければならないと思うのですね。なんと人間は弱い者なのか(突然のポエム)。

 

ってことをまぁまぁ考えながら観てました。

さて小瀧くんなんですがこれが初のミュージカルらしいね?

だからなのかなんなのかわからんけど、とにかく頭から気合いが凄くなかったか?

もうずっとフルパワーでやってて大丈夫なんかな?といらぬ心配をしてしまった。

役柄としては正直なところ、検察側の証人のときのほうが狂気を感じて好きだったなというのはあるんだけれど、まぁこれは好みかもしれない。

しかし女優陣のパワフルさが良かったなー。当然だけど歌が上手い。当たり前なんだけど歌が上手い。トーマス役の東さんも凄い。あと小瀧くんと並んでさらにデカいので迫力が凄い。

あとなんといってもアンドリュー・ロイド・ウェーバーの音楽が良いよねぇ、これもまたそりゃそうなのよって話なんだけど(笑)。

でも終演後真っ先に思ったのは、「チュー多すぎじゃね?」と「エースナンバー背負ってる男にスローインはさせなくね?」でした…最悪やな自分。

いや、だってさ、サッカー監修大久保嘉人ってあるしさ…10番は基本的にはスローインしなくね?もうずっとこればっか思っちゃってる。

最後がかなり駆け足というか、ジョンが闇落ちしかけたわりにはさっさと元に戻っていてそのあたりがもっと捻ってあればというのもありますね。まぁ尺もあるし仕方がないのかな。

あと全然関係ないんだけど、日生劇場、終演後の規制退場がなくなってて「それでええんか!?」ってなりました。感染対策とか以前に、スムーズな退場するのには規制退場って必要じゃない?なんでそれなくした?これが一番モヤってますね。

 

ザ・ビューティフル・ゲーム【1/17昼】