たまに書くかもしれない

(年齢だけは)大人のジャニオタの吐き捨て場的なもの

『検察側の証人』観てきた

殺人の罪に問われている若い男・レナードは、自分の妻・ローマインが法廷で自分の無罪を証言してくれると信じていた。

しかしローマインは「検察側の証人」として法廷に立つ。

 

 

ネタバレあり

 

 

アガサ・クリスティの戯曲が原作ですね。

クリスティ作品はマジで小学生の頃から親しんできて、なんならミステリ好きの原点だったりするので今回クリスティ作品が観られるという意味でも楽しみだったし、そんなクリスティ作品で寺西くんが観られるっていうのも楽しみで、本当にですね!当ててくれてマジありがとうだったわ連れよ!!!

 

裁判がメインなのでほぼ法廷シーン。その中でレナード役の小瀧くんが検察側の攻めを一心に受けてひたすら無実を叫ぶんだけど、それがもう圧倒的というか。

事件を捜査したハーン警部、殺された資産家の婦人の家政婦、そしてレナードの妻ローマイン等々、それぞれが間接的にレナードと対峙するんだけど、とにかく検事のマイアードとレナードの丁々発止のやりとりが圧巻です。

マイアード役の成河さんが特にそうなんだけど、陪審員に見立てた観客席に話しかけるようにして観客を裁判に誘うんですね。それがとても効果的で、必然的にレナードやローマインの人生に思いを馳せながら裁判に臨むことになるわけです。

そしてその中で行われるマイアードとレナードのテンションの高いやりとりは本当に圧倒されます。人を裁くことだとか、法廷に立つということは人生を賭けた闘いなんだということがよくわかるなぁという感じ。2人とも高めの声で舞台映えするんですよね。いやー良い声だったなぁ。

法廷シーンがほとんどを占めて、とにかく登場人物の表情がくるくる変わる中でローマインだけがずっとその表情を崩さないのも後々効いてくるんだけどいやほんとすごかったですね…。そして法廷シーンが長かったからこそのあの幕切れは、クリスティ作品の最後によくある「えっ!」に満ち溢れててあれを生で感じられるのって本当に贅沢だと思います。

舞台は結局1度しか観に行けないっていうのもあって題材となったものは原作があるなら出来るだけ読みたいしノンフィクションであればウィキペディアをちょろっと読んだりするので今回も原作を読んでいったのですが、これは原作読まないで生で「えっ!!」って思えたら最高だろうなぁとは思う。

あれだけ無実なんだ無実なんだと純粋すぎる瞳で訴えかけていたレナードは結局は殺してたし、自分を(非常に歪曲した形で)犠牲にして、レナードの無実を勝ち取ったのは私自身なのだと勝ち誇るローマインの最終的な罪は殺人だし、本当に理不尽な幕切れだった。誰も幸せにならない結末。まぁレナードはぱっと見最低な奴なので死んでもしゃーない、というのはあるんだけど、それよりもレナードの人間性が謎すぎて不気味だった。実際かなり雑な理由で人を殺しているんだけど、法廷で無実を叫ぶその姿は「人を殺したことを隠して無実を叫んでいる」というよりも、本当に人なんて殺してないんだ!と思っているかのような不気味さがあった。なんなら本当に無実なんだって思ってるだろうみたいな。だけど全体的には殺人を隠しているっていう意識がありそうな感じで、たとえば無罪判決が出たあとは弁護士のウィルフリッドや事務弁護士のメイヒューに対しても、「もうお前らには用なしだ」とでも思っているかのような仕草で右脚を揺らしてるのが個人的には一番ゾクゾクした。無意識でやってるのか意識してやってるのかわからないけど、小瀧くんにゾワっとしましたね。小瀧くん、私は初めて観たのでまず最初にお顔キレイ!おめめキラキラ!背が高い!顔ちっちゃ!脚長っ!!てのがどうしても先にきちゃったんだけど、よく通る高めの声でめちゃくちゃテンションの高いお芝居見せつけられて、マジですご…ってなった。この役毎公演やるの単純にすごい。気が狂うんじゃないかって思う。でもそんなことはたぶんなくて、芝居ってやっぱ常人じゃできないよなって思いましたよね…。

 

その中でハーン警部を演じているのが寺西くんなんですがこれがまた!

かっこいいんだわ!!相変わらず声も良い!!あの太い声好き!!

そして出で立ちはまさに「ミステリ小説に出てくる少し意地悪そうな刑事」そのもの。天才的にそのもの。スリーピース万歳。超かっこいい。小瀧くんが役柄上少し肉を落としてるのかなってのに対してハーン警部は恰幅を少し意識してるのかもしれないけど、ガタイが良いのでスリーピースが本当によく似合う。かっこいい。かっこいい(しつこい)。

そして常に眼光が鋭い。法廷のシーンでは誰にでもメンチ切ってるんじゃないのってくらいに睨んでる。証人の証言に一喜一憂しながらも鋭くその成り行きを見守っている。そこには自分が担当した事件へのプライドが滲み出ている感じがしますね。

ずっと眼光鋭い中でたまにニヤッとしたり、逆にさらに睨みが強くなったり、セリフがない分表情が豊か。腕を組んだり貧乏ゆすりっぽくしてみたり、全身を使ってその時々の気持ちを表現していましたね。レナードを見る目がやはりひときわ厳しかったかな。そりゃそうだよねこっちは犯人だって確信してるわけだし。だからレナードが無実だというたびに、そしてレナードが無実だという証拠が出てくるたびに目がバチバチになるの迫力がすごい。

あとはもうずっと上手側にいるのですが、私座席が上手側だったので、ずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと寺西くん観てられたの本当に感謝です。鼻筋が通ってて綺麗な顔だったな(今更)。

カテコも上手側だったね。3度目かな?少し微笑んでいたのが見られて嬉しかったな。小瀧くんも最後に1人でお辞儀したときうっすら微笑んでました。

あーあとハーン警部がつけている腕時計が時々光に反射してこっちがめちゃめちゃ眩しくて、なんかよくわかんないけど寺西くんの腕時計の光を勝手に受け取った気がしてとてもありがたかったです(突然の気持ち悪い感想)。

あとパンフレットの伏し目がちな表情も超絶良いのでやはり買ったほうがいいですあの買ったほうがいいです。パンフレットのコメントもなんか寺西くんは一味違ってすっとぼけて、これがまた好きなのよなぁ…SHOCK千穐楽カテコ挨拶や流星セブンのパンフレットのコメントでもそうだったけど、とにかくあの抜け具合が好きだなぁ。

 

ローマイン役の瀬奈さんが超かっこよかったのも印象的ですね。や、あれはかっこいいだろマジで。ヒールで歩く姿がサマになる(両方のお姿でも!)し、声がかっこいい!宝塚ってマジですごいよねぇ…んでもって背が高い瀬奈さんがヒール履いてなお小瀧くんのほうが背が高いというのも非常に良かったし、判事とメイヒューのちょっとしたすっとぼけぶりも好きだった。終始緊張感に溢れる作品の中でちょっとした息抜きになって良いね。私梶原さんが生で見られたのも感動したんだよねぇ。舞台って良いね…。

やっぱりほんとはもう1回くらい観たいな。

世田谷パブリックシアターはめちゃめちゃお洒落で小ぢんまりとした劇場でとても居心地が良かった。やっぱりこんなの生で間近で観たら、そりゃクセになるよねぇ。

またこういう形の舞台も観に行きたいな。といいつつ次は『ネバー・ザ・シナー』です。

 

あーそれにしても寺西かっこよかったなぁ!!!!

すっかり骨抜きにされてる!(笑)

 

 

検察側の証人【8/30】

(桐山くんが観劇されていたようだ、とあとで知りました。確かに後ろ振り返ってこっち観てる人いたなぁと思うなどとした…)